羽場正浩、高億翔
長野県松本市内のペット業者が多数の犬を劣悪な環境で飼育していたとして、同市などで動物病院を経営する獣医師が14日、記者会見し、県警に情報提供したことを明らかにした。県警が今月、この業者を動物愛護管理法違反容疑で家宅捜索した。松本市保健所も立ち入り調査した。
記者会見したのは奥原淳獣医師。奥原氏によると、この業者の元従業員から6月に情報提供があり、飼育場所を訪れるなどして調べたという。
元従業員の証言を踏まえた奥原氏の説明によると、この業者の飼育施設は市内に2カ所。フレンチブルドッグやトイプードルなど小型犬を中心に計約600頭を飼育していた。自由に身動きできないケージが多く、4~6段に積み上がったり、糞尿(ふんにょう)が垂れ流しになったりしたものもあったという。不十分な環境で犬の手術をした可能性もあると指摘した。
元従業員は昨年、県松本保健所(当時)にも相談した、と説明したという。奥原氏は「(今年4月に移管された)松本市保健所も対応が甘かった」と述べた。
県警幹部によると、県警も、この業者の市内2施設を捜索した。約1千頭の犬がいたといい、当時の飼育実態などを調べている。(羽場正浩、高億翔)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル